ノブレス・オブリージュ 2016 7 31
ある時、知人から奇妙なことを聞かれたのです。
その知人が、私に「障害者施設を知っているか」と聞くのです。
彼に言わせれば、
「もう十分に稼いだ。これからは社会貢献だ」と言うのです。
また、「棺桶に、お金を入れて、あの世に持っていくわけにいかない」と言うのです。
そういうわけで、私は、知人に、
いくつか知的障害者授産施設を案内しました。
この施設は、知的に障害があるけれど、
「働きたい」という意欲がある人のための施設です。
彼は、誰からも教わったわけではありませんが、
生まれつき「ノブレス・オブリージュの精神」が身に付いていたのでしょう。
きっと、高貴な魂が宿っているのでしょう。
私は、若い頃、
知的障害者が働く場所を提供する施設を見に行ったことがあります。
そこでは、温室で、椎茸を栽培していました。
その椎茸を近所のスーパーに出荷して収入を得ていました。
その施設では、知的障害者が十数人働いていましたが、
働きたいという意欲と真面目な勤務態度は、強く印象に残りました。
ノブレス・オブリージュ noblesse oblige 2005 3 16
「ノブレス・オブリージュ」とは、フランス語で、
「高い身分に伴う義務」と訳されます。
これは、権力を得て、富も享受できる者にとっての「最高の名誉」とは、
社会の発展のために、私財を投ずることであるという意味に近いかもしれません。
これが、「本当の貴族」です。
なぜ、この言葉を思いついたのか。
それは、週末に、世相を知るために、
テレビを見たり、雑誌を見て、そう思ったのです。
テレビや雑誌には、リッチな生活とか、セレブとか、
まるで貴族にあこがれているような特集が目立ちます。
しかし、「貴族」と「拝金主義者」は、違います。
ノブレス・オブリージュがあってこそ、貴族と言えるのです。
ノブレス・オブリージュがない人たちは、単なる拝金主義者です。